日記88

7/22
加賀温泉へ。地元から特急「サンダーバード」で直通だったので、あっけなく到着した。鹿屋や大曲に比べてなんて行きやすいんだろうか。
地方のライブに来たときはその町の雰囲気を掴みたくて少し歩き回ってみる。加賀は比較的新しい温泉街なのもあってか、あまりその土地に沁み込んだ(呪いめいた)ものを、感じないような気がした。

早めに現地に着いたので、前乗りしていた知り合いと一緒に「加賀上杉」という店で蕎麦を啜った。加賀蕎麦は白くて瑞々しい味がする。

暑い。

炎天下、日陰を探しつつ、ふらりふらりと過ごしていたら時間になったので入館した。旅館「瑠璃光」を貸し切った加賀温泉郷フェス、なんて涼しいんだろう!床も絨毯だし、引きこもり向けの最高の夏フェスじゃないか!
関西や関東の方から来ていた知り合いとも会って、普段は旅館のレストランで出されていそうな、出汁巻きや、のどぐろや、能登牛を食べた。最高のフェス飯じゃないか!(デジャブ)

終始、旅館とビールの誘惑に流されまくって、ライブをあまり見られなかったけど、DJハローキティ藤井隆、Homecomings、ナマコプリ、ラブリーサマーちゃん、バンドじゃないもん、大森靖子のライブを目にすることができた。大森さんがラジオの公開出演に出ているところもちょうどよく見られたりした。折角だから寸感だけ書いておく。

DJハローキティ
飛び交うレーザービームの中でキティちゃんがバッキバキのEDMをプレイするというイカレた状況がウケる。でもこいつ本気だぞ!エイベックス所属らしい。

藤井隆
持ち曲をDJリミックスバージョンで惜しみなく歌い踊る藤井隆!CD購入者にはサイン会があるということだったので、「土曜はダメよ!」でいつも見ていますと熱弁しようと思っていたのに、他のアーティストを見ていたらサイン会が終わってしまっていた。がーん。「ナンダカンダ」の振り付けが可愛かった。まじポップスター。かっこよかった。俺らマシュー世代だからな、なんせ。

「未確認飛行物体」という曲が大好き!
http://nico.ms/sm3087084

Homecomings
京都の誇るインディーバンド。彼らの理想が詰まり過ぎている楽曲は胸いっぱいになり過ぎて時々胸が苦しくなる。だいたい「京都出身で洋楽直系みたいな音を出すバンド」は、土地のイメージと音のイメージがうまく混ざり合って心憎いいい感じの仕上がりになることが多い気がする。夜の本気ダンスとか。

最後に演奏した「白い光の朝に」が最高だった
https://youtu.be/1IBm7JjXtp8

ナマコプリ
マコ・プリンシパルとナマコラブの芸術家2人組ユニット。ナマコちゃんを数年前に知る機会があり、それ以降展示を見に行ったり、CDを買ったりしていたので、ライブを見るのが楽しみだった。なんなら「加賀温泉郷フェス来場者でナマコプリを楽しみにしていた」ランキング1位を争えるかもしれないレベルである。全曲良かったんだけど、「アートの神様」のRemixが聴きたかったから嬉しかった!

https://youtu.be/AaNyfndzl3Y

ラブリーサマーちゃん
最後にやっていた「あなたは煙草 私はシャボン」をちょっとだけ見られた。手練れのミュージシャンに支えられて伸びやかに歌うラブサマちゃんの声に浸った。ちょっとだけ。全編見たかったなー。

https://youtu.be/EYbUYatSXVM

バンドじゃないもん
宴会場でバイブスセイイェーしているのを一瞬見た。

https://youtu.be/wf7dgLoaBCc

ゆけむりDJ JxAxGxUxAxRさんのプレイに身を揺らしながら、大森さんの登場を待つ。


大森靖子

絶対ミッドナイトのオケで登場すると思っていたら、IDOL SONGのオケだったので「そっちか!」ってなった。演奏前の生放送のラジオでは「楽しんでやりまーす」と言っていたのに、実際始まると今日の弾き語りは鋭く尖ったように感じられて、ヒリヒリしたし、ビリビリきた。針を指先で触ったら当然血が流れるように、鋭い歌と音がいくつも何度も突き刺さってきた。大森さんの弾き語りは自分の気持ちを映す鏡みたいなものだから、最近自分自身がとんがった気持ちで居たのかもしれない。

特にこの日の「ミッドナイト清純異性交遊」は心臓に深々と刺さるような思いがした。でも大森さんがぶっ刺すために歌っているというよりは、きみの胸にある空洞はこの形だよと教えてくれて、それがたまたま刃渡り20センチ超の出刃包丁だっただけ、というような感じがする。心臓にぴったりはめられた出刃包丁は、ギターのストロークと共に前後にぎいこ、ぎいこと引かれて、その優しさと痛みはあまりにも深かった。

「ミッドナイト清純異性交遊」は、大森さんが敬愛する道重さゆみ様に宛てた曲で、本来はさゆという「理想」に向かって、アンダーグラウンドからでも手を伸ばす決意表明のような曲なんだと思う。それと自分の「理想」に対する姿勢を照らし合わせたとき、(最近個人的に「理想」と「現実」の折り合いをうまくつけようとしていたのもあったからだろうか、)お前は手を伸ばすことをやめたのか、それならこれはお前の死んだ夢への鎮魂歌だねと言われているようで、すごく苦しかった。「アンダーグラウンドから君の指まで遠くは無かった、のに、」「なにを食べたとか、まちのにおいとか全部教えてほしかった、のに」と、全ての歌詞が過去形に聴こえてしまって、深々と哀しい気持ちになった。心を強く揺さぶられた。叶えられること、叶えたいこと、叶えられないこと、過去、未来が、どんどんぐちゃぐちゃになっていった。

殴打のように、めった刺しのように感情に強く働きかける楽曲が続き、畳の会場に三角座りをして、ほとんどうずくまるように大森さんのギターと歌を聴いていた。それなのに、終盤で歌われた「ノスタルジックJ-POP」では、「君が好き、返事はいらない」とあくまで丁寧に掬うように、歌が、歌われていた。そこにはただ歌があった。大森さんの顔も直視できず泣いた。垂れ流される涙と洟がいよいよ限界だったので、ライブの途中だったけど鞄をそろりと開けて、洟をかんだ。ライブ後にティッシュは燃えるゴミのゴミ箱に投げ込んだ。目と鼻から出た感情の搾りカス。ひょいと燃えるゴミのゴミ箱に吸い込まれていった。
あまりにもライブが突き刺さったので、畳の会場を出るときに大森さんがちょうどいたけど「うわっこわっ」と思って気軽に話しかけられなかった。遠目に見ていた。いつものことだけど。

セットリスト
IDOL SONG
TOKYO BLACK HOLE
SHINPIN
絶対彼女
ミッドナイト清純異性交遊
デートはやめよう
君と映画
夏果て
呪いは水色
新宿
ノスタルジックJ-POP
キラキラ
ハンドメイドホーム

こうしてセットリストを見るとやっぱりどの曲も愛情深くて好き。その愛の表出方法が喜怒哀楽それ以外の感情として多彩すぎるところも好き。多才だけど多才よりさらに多彩って感じのところも。

ああ。
さて。

大森さんのライブの後はフェス飯や近所のラーメン屋で腹ごしらえをして、皆が温泉に行っている間にぼくは室内風呂に入った。温泉も入れなくはないんだけど、風呂場の床を尻で這うことになるのがちょっといやなので、室内風呂。

飲んだり、ジェンガをしたりトランプをしたり、寝る前に男部屋でちょっと真面目な話をしたりして、フクロウも欠伸しだすほど遅い時間に就寝した。一日中遊び尽くしたあとに、そのまま綺麗な旅館に泊まれる最高のフェス!(サブリミナル)

遊んでくれたひと、色々世話してくれたひと、加賀温泉郷フェスをつくることに関わってくれたひと、みんなありがとうって気持ちだ。また来たい!

7/23
もちろん瑠璃光にて起床。
少し金沢観光しようかと思っていたけど、雨が強めに降っていたので、加賀温泉駅から特急に乗ってまっすぐ帰ることにした。駅弁を食べながら、乗客の少ないサンダーバードに揺られる。車窓の様子が変わるにつれ、雨は過ぎ去っていった。

そういえば駅にtofubeatsがいた。彼も神戸へ帰るのだろうか。

びゅーんと帰宅。
実家に兄家族が来たのでみんなで夕食。甥にバトルえんぴつ(昔、僕が買ってもらったドラクエ5と6のやつだ)で遊ぼうと言われて、1時間ほどやり続けた。「ガチでやりたいからもう1回だけやり直してもいいよ!」と何度も言われたんだけど、ガチならやり直しは無しなんじゃなかろうか。ガチで長く遊び続けたいからこういうことを言っているので微笑ましい。「ガチで」って戦隊ものか仮面ライダーの登場人物が言ってたりするのか?

おやすみ。